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DX(デジタルトランスフォーメーション)とは

DX=デジタルなトランスフォーメーション

DXとは何なのかについて「DXではないもの」に触れつつ私が持つイメージについて紹介したいと思います。

本記事では変革には至らない「改善」と「変革」の両方を含む言葉として、進化という言葉を使っています。

 

DXは「デジタル」かつ「トランスフォーメーション」である必要があるので、

  1. デジタルではない=DXではない
  2. トランスフォーメーションではない=DXではない

 という2点が揃っている必要があります。

 

1. デジタルではない=DXではない

手段としてデジタルを使っていない場合は、どんなに大きな進化だったとしてもDXではありません。これは分かりやすいと思います。

今、逆にデジタルではない進化というのは少ないかも知れません。

 

2. トランスフォーメーションではない=DXではない

トランスフォーメーションというのは「変身」とか「変質」「変態」という意味です。

昆虫の幼虫が(さなぎを経て)成虫になったり、オタマジャクシがカエルになったりという過程を変態と呼びます。これほどの大きな変化をトランスフォーメーションと呼びます。成虫になりたての小さな蝶が成長して大きな蝶になることは変態とは呼びません。トランスフォーメーションであるためには大きな変化が必要です。

進化の中でも、改善ではなく変革することをトランスフォーメーションと呼びます。

 

「デジタル」という手段を使って「トランスフォーメーション」という変革を起こすこと、この2つが揃って初めてDXとなります。

IoTの定義 -ある一面から-

 本記事は、IoTというものについて、ある一面から見た場合の定義をしてみようというものです。ある一面からの定義となりますので、この定義がすべてではありません。

 そもそも、IoTには定まった定義が無く、理解がしにくい一因となっていますので、少しでも理解ができるようにと挑戦してみた結果の記事となっていることをご了承ください。

 

 

 一般的なシステムは、入力、処理、出力といった3つの段階を持って動作します。

 

 人間に当てはめると、入力が目や耳などの器官を使った五感であり、それらの器官からの入力情報を脳で処理します。処理の結果に応じて危なければよけるといった反応を手足などの器官を使って出力します。

 

 「3つの段階」をIoTに当てはめて考えてみたいと思います。3つの段階をすべてひっくるめてIoTと呼んでいるものもあるし、入力と処理の2つを合わせてIoTと呼んでいるものもあります。そして、最も狭義のものだと、入力の段階のみをIoTと呼んでいます。

 いずれの選択範囲においても、入力という段階が含まれることは共通しています。また、実際には入力という段階にもいくつかの分類があります。IoTのTはThingsですが、モノの状態を入力とするだけとは限らず、「コト」という人間の行う行為の状態をデジタル化したうえで入力とするIoTの考え方もあります。

 

 ちなみに、処理の部分にはAIやビッグデータ分析という語が当てはまり、出力の部分には、ロボットやVR/ARという語が当てはまります。

 生身の人間とは違い、入力、処理、出力を行う各機能部は近接している必要は無いですし、入力の精度や出力の大きさといった能力を生身の人間の能力限界に合わせる必要もありません。こういった、IoT/AIの能力を取り入れて疑似的に能力を向上させた人間のことを「拡張人間」とか「スーパーヒューマン」と呼んで学問分野にしているものもあります。

 

 どのIoTの定義が正しいということはありません。あなたの言うIoTはどのIoTでしょうか?

 

Webサービス企業とものづくり企業に共通する“進化の方向性”

Webサービス企業とものづくり企業に共通する“進化の方向性”なんてものはあるのでしょうか?

(補足:ものづくり企業=製造業です)

 

もう少し具体的な名称で言い換えると、クックパッドファナックが現在進行形で進んでいる方向性の共通点はどこにあるのでしょうか?

 

 

「マイクロサービス化」と「モジュール化」がその共通点です。

 

この2つの言葉は、Webものづくりという2つの世界ではそれぞれで当たり前に使われている言葉ですが、両ワードを1つの言葉で表すのは難しいです。

1つの文章で説明するとすれば、「単一の機能を持ったカタマリを組み合わせて大きなモノを作るという考え方」といったあたりでしょうか。

 

メリットは非常に強力なものがたくさんあります。メリットも2つの業界で共通です。

  • ほかのカタマリとの繋がり方さえ決まっていればそれを守って、あとはカタマリの範囲内のことだけを考えれば良いので、開発がしやすい。
  • 製品・サービスが一気に全停止にはなりづらく、カタマリ単位の停止になるため、一部の機能が停止してしまっても、ほかの機能は提供できる可能性が残る。
  • 製品・サービスが壊れたり、性能が足りなくなったら、カタマリ単位で修理や交換をすればいいのでメンテナンスが楽。
  • 製品・サービスを発展させるのに、自社だけで改善する必要はなく、カタマリ単位で外部の力を借りることができるため、イノベーションスピードが速い。

 

一見全く違う世界に住んでいるクックパッドファナックという2社ですが、この視点から見ると全く同じ方向に進んでいます。

クックパッドはマイクロサービス化によりどんどんサービスを進化させ、ファナックはモジュール化により顧客の選択肢を減らさずに製品開発スピードを上げ、製品コストを下げています。

 

そして、2社に限らずそれぞれの業界が次に目指すべき方向性としてマイクロサービス化とモジュール化は盛り上がっています。ですので、業界としての共通点と言っても過言ではないと思います。

 

「カタマリを組み合わせてモノを作る」という考え方には普遍的な価値があるからこそ2つの異なる業界が同じ方向を目指しているとも言えると思います。

 

今回は、Webとものづくりという2つの世界に共通する進化の方向性として、この考え方を取り上げましたが、ほかにもこの方向性を持つ業界はあるような気がしています。

 

 

ちなみに、Webの世界でのマイクロサービスの反対語はモノリシック、ものづくりの世界でのモジュールの反対語はインテグラルです。

 

WebAssembly、試験的実装(Minimum Viable Product:MVP)を発表

またWebAssemblyが歩みを一歩進めました。

 

これまでにも何回かGoogle,Mozilla,Microsoftが歩調を合わせて開発開始やテスト実装などを発表していましたが、今回も2016/10/31に各ブラウザベンダが歩調を合わせての発表です。

この「歩調を合わせての発表」という事実だけでもこれまでにはほぼ無かったような動きですし、WebAssemblyへの順調さが伺えます。また、機能への期待値が高まります。

 

2017年第一四半期にプレビュー公開を予定しているとのことで、あと数か月です。

 

WebAssembly、何が変わるんでしょうか? 思いつくものをつらつらと。

  • ネイティブアプリとWebアプリの比較論争の復活(もはや比較に意味があるのか?)
  • 「WebAssemblyアプリ」マーケットプレイスの主導権争い
  • PCやスマホで、ブラウザを常時起動しているような使い方が増える
  • セキュリティ屋さんのビジネス領域の拡大
  • スマホ通信データ量の爆増
  • スマホアプリ戦争におけるOS差異の無意味化
  • インストール版ゲームのブラウザゲーム
  • Cプログラマの復権(ほかの言語のWebAssemblyへのコンパイラが出るまで)

 

最近のITワードにはめずらしく、IoTという世界には関係ないかも知れません。

 

とにかく今から楽しみです。

 

WebAssemblyの実装を主要ブラウザベンダが時期を揃えて発表

2016年3月にWebAssemblyのテスト実装が相次いで発表されました。

GoogleのV8、MozillaFirefoxMicrosoftのEdgeです。

 

2015年6月に上記の3社やW3CがWebAssemblyのサポートを表明していましたが、それらを実際に実装したものが現れ始めました。

 

Javascriptの世界では、「Javascript PC Emulator (通称:jslinux)」とか「OS.js」といったブラウザ上で動作する変態OSが作られていたりしましたが、これをもっと汎用的にしてJavascript以外にも広げたイメージでしょうか。

WebAssemblyであれば、ブラウザの上で、Javascript以外で書かれたOSも動くだろうと思いますし、いろんなアプリケーションも動くのでしょう。今までよりさらにブラウザがプラットフォームに近づきました。

ブラウザさえあればどこでも自分のマシンをロードできるようになる、ということだと思います。

 

もはやOSの上にブラウザというアプリケーションがあって、Webアプリはさらにその上で動くという従来のスタックの考え方は意味を為さないのかもしれません。

昔はブラウザという単体のアプリケーションがあったんだよという日が来るのかも。

 

あと、WebAssemblyができたからと言って、Javascriptが無くなるということはないと思いますが、地位は下がりそうですね。プログラマは今の内にスキルのポートフォリオを見直しておくと良さそうです。

米モバイルキャリアにおける動画サービス無料化への動き

アメリカのモバイルキャリア各社が動画サービス無料化に動き始めています。

ここでの無料化は「データ通信量に積算しない」という意味です。動画コンテンツ自体の閲覧は基本的に有料です。

T-Mobile USが「アンキャリア戦略」でまず先行し、それをAT&Tが追い、効果を見極める期間をおいてVerizonが更に後を追ったという構図です。Sprintはそこまでの余裕がないのか、残念ながら動画無料サービスを提供していません。

 

考察 -なぜ動画の通信料無料サービスで競うのか?-

もちろんアメリカ4大キャリア間(実質3大か?)の契約者獲得競争のためです。当たり前ですね。T-Mobile USはスポティファイやパンドラなどの音楽サービスも通信料無料のサービスを提供して他キャリアとの差別化を図っています。

動画サービス側の収益で、ある程度補てんできる、あるいはペイできちゃうという思惑もありそうです。

 

ただ、特にVerizonとAT&Tの最近のM&Aの動きを見ると、キャリア間競争だけが目的の訳ではなさそうです。

AT&Tは2014年5月にディレクTVを買収しています。衛星放送の大手です。

Verizonは2015年5月にAOLを買収しています。インターネットサービスの大手です。

いずれも膨大な動画コンテンツを持っています。それらを無料で配信する方向性が見えています。

 

有料コンテンツを無料の通信路で配信する。これは、アメリカにおいてはペイパービューと同じです。

恐らくモバイルメガキャリア2社はテレビ業界の領域(ネットワークとかテレビ局)を狙っています。LTEブロードキャスト技術や5G技術と合わせて考えると、より現実味を帯びた想像に見えてきます。

テレビ業界を飲み込んだ先には、電波の獲得とかも狙ってたりするのでしょうか?

 

モバイルキャリアの収益規模、収益効率とそれらをテコにした巨大化戦略は恐ろしいばかりです・・・

 

SORACOM Air使ってみた

SORACOM Airを使ってみましたので、軽くレポートします。

サービス内容は以下のリンクを参照してください。メインターゲットはIoTです。スマホでも使えます。

soracom.jp

 

メインターゲットをIoT向けとするための特徴は以下のようなものがあります。

  • ダウンロード方向よりアップロード方向の方がバイト単価が安い。
  • 昼間より夜間の方がバイト単価が安い。
  • 様々なAPIを備え、SIMの管理やサービス設定の操作を自動化・一括化しやすい。

他にも、AWS上にEPCという通信装置を構築してNTTドコモと接続していたりと、かなり尖ったサービスです。期待している人も多いですね。

ただ、今はメガキャリアやMVNOとの棲み分けが見事に実現できていると思いますが、今後レッドオーシャン化すると見込まれるIoT通信市場に飛び込んだということで一抹の不安もあったりします。

 

 少し前置きが長くなりましたが、使用レポートです。実際に使えるまでの設定などがほぼユーザコンソールのみで完結するため、使うまでのハードルが非常に低いです。

  • SIM登録(IMSI、パスコードの入力)
  • 利用プランの選択
  • サービス状態の変更(準備完了→使用中)
  • APN設定(ここだけは利用しているスマホでの作業です)

これだけで使えるようになります。

スマホで使うのに最低限の速度プランを選ぶとすると、昼間のダウンロードで1MBあたり0.7円という料金設定です。IoTで使うとなるともっと速度が遅くても良く、夜間の通信のみという条件で1MBあたり0.2円です。

通信量に応じた料金以外にも、1日5円~10円(サービス状態に応じて基本料金も変化)の基本料金がかかります。あとSMSは基本料金/従量料金の共に別料金です。

 

そして、解約もユーザコンソールでできちゃいます。解約APIも用意されていますので契約しているSIMがある限り解約APIをたたき放題です^^

下手したらショップに行く必要のあるメガキャリアの解約処理と比較すると驚異的ですねぇ。

 

使用感なんかは全く問題ないです。というか最高だと思います。

IoT向け通信の世界でデフォルトスタンダードの地位を確保するためにはデバイスベンダとの連携など、仲間作りとかが重要だと思います。

この領域、今後どうなって行くんでしょうか?