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Microsoft(マイクロソフト)のブラウザ戦略 ~ IE と Spartan ~

MicrosoftWindows 10に搭載するブラウザについて、戦略などを発表しました。

Microsoftのブラウザと言えば、言わずと知れたInternet Explorerですが、Windows 10においてもIEは生き残ります。ただ、モダンブラウザとしてもう一つ新たなブラウザが搭載されるようです。製品名はまだ決まっていません。現在開発中であり、コードネームは「Project Spartan」。

本記事では、Windows 10に2つのブラウザが搭載されることになった経緯や、2つのブラウザの役割分担とMicrosoftのブラウザ戦略について、簡単に紹介します。

 

Internet ExplorerIE

IEは、Windows95から搭載が始まったMicrosoft製のブラウザです。Windows95以降のWindowsには無料で標準的に搭載されたことから、Windowsのシェアと同様に圧倒的なシェアを持っていました。

(最近はGoogle ChromeMozilla FirefoxApple Safariなどのブラウザにかなり押され気味になってきてはいますが)

特に企業内においては、企業システムでサポートされるブラウザはほぼIE一択となっているため、限りなく100%に近いシェアになっていると思われます。

ITの世界に限らず、製品のシェアが高いことは良いことなのですが、この「企業システムでのデフォルトブラウザになっていること」がブラウザ戦略においてMicrosoftをがんじがらめに縛っている最大の要因です。

 

企業ユーザがたくさん居すぎてIEを捨てられないのです。そして企業システムの進化は遅く、変化にも乏しいので、新機能を入れたり機能変更をすると自社のシステムに影響の出る企業ユーザからクレームが来てしまうのです。

 

Project Spartan

 その一方で、Webの進化に伴うブラウザの進化は近年加速度的にその速度を増しています。その先頭を走っているのはChromeFirefoxの2台巨頭。意外にもAppleは進化のトップ争いには参加してきていません。2台巨頭はHTML5などの最新機能を、仕様確定前の段階からどんどん実装しています。

コンシューマでのシェアにおいて、IEの機能の少なさ、進化の遅さを嫌ったアーリーアダプターのシェアをChromeFirefoxに奪われています。

また、スマートフォンのブラウザはChrome or Safariのどちらかです。IEを使っている人なんてまったくいません。

 

そのような状況を打破しようと、MicrosoftIEではないブラウザの開発を決意しました。それがSpartanです。

IEとは別製品を作ることで、最新機能をどんどん取り入れて進化の先頭を走ることでアーリーアダプターのシェアを戻したいという意図が見えます。

 

全てのサービスにおいて、エンドとエンド(この場合は、サービスサーバとブラウザ)を押さえることで自社のサービスを完全にコントロールして提供できるのは非常に重要なことです。(Googleなんかは完全にこの戦略です)

 

2つのブラウザの役割分担

IESpartanの役割分担はシンプルです。

IEはレガシーユーザ向け、Spartanはイノベーター・アーリーアダプター向けです。それはそのまま「企業・一般ユーザ向け」と「Web開発者・先進ユーザ向け」と言い換えることもできるでしょう。

 

Microsoftのブラウザ戦略(想定)

Microsoftはそう遠くない将来にIEを捨てたいと考えているはずです。同じような機能をもった2つの製品をラインナップしておくのはリソースの無駄が大きいです。

では、どうするのか。SpartanIEの製品イメージをなるべく近づけてリリースして企業システムにSpartanもサポートさせるということが必要になると思います。IEを捨てるためには企業ユーザをIEから離れさせなければなりません。

企業内においてもSpartanを使わせて、そのまま家でもSpartanを使ってもらう。そうすることでアーリーアダプタのシェアも回復する。IEも捨てられる。

(一般ユーザが自分が使っているブラウザを気にすることはないでしょう)

ポイントは、機能的には2つのブラウザは別物だとしても製品イメージを近づけること。それこそ製品名を似たものにしてしまうというのはありかも知れません。(先進ユーザにはがっかりされるかもしれませんが)企業ユーザ向けのサポートには最大限に注力すべきです。

 

スマホ向けについては、Microsoftは、まずはOSシェアを取らないことには始まらなく、ブラウザをどうして行くかを検討する段階にはありません。

 

まとめ

Microsoftの2つのブラウザとその役割分担、そして2つのブラウザ製品を使ったブラウザ戦略について想定を交えて紹介しました。

ユーザとしては、Microsoftからもいいブラウザが出てきて競争を促し、Web全体のエコシステムに良い影響を与えてくれることを願います。

 

※こんな記事を書いておいて、私はSleipnirを使っています。もうマウスジェスチャから離れられません。

タブブラウザ Sleipnir 6 - Windows / Mac の先端的ウェブブラウザ