HTTP/2の普及度合い(2015年10月時点)
2015年5月にRFCになったHTTP/2。
RFCになるためには、いくつかの試験実装が必要で、またそれらの実装の実際のデプロイも始まっていましたが、RFC化から5か月後の2015年10月時点での普及度合いはどのようになっているのでしょうか。
とある調査の結果を紹介したいと思います。(繰り返しますが、結果は2015年10月時点のものです)
Is The Web HTTP/2 Yet? https://kyle.schomp.info/docs/http2-pam16.pdf
テレフォニカの研究所と2大学の方の共同の調査のようです。概要のメモです。
- アレクサ100万サイトを対象にHTTP/2適用サイトの調査プラットフォームを構築
- 2014年11月から2015年10月の期間で調査
- 調査の結果、68,000サイトがHTTP/2をサポートし、その内の10,000サイトが実際にコンテンツをHTTP/2で配信している
- 人気の上位サイトの方がHTTP/2適用率は高く、アレクサトップ100サイトの内31%が既にHTTP/2をサポートしている
- HTTP/2をサポートしているサイトの80%がHTTP/1.1だった時と比べてページロード時間が減っていて、モバイル向けだとさらに減少幅が大きくなる
アレクサトップ100の内の31%となると、かなりの急速な普及という印象です。
もともとHTTP/2は、より大規模なサイトの方がTCPコネクション数が減らせるというサーバリソース効率化の効果を大きく得られるので、大規模サイトでしか普及しないのではという論がありましたが、今のところ予想通りの傾向が見られています。
ただ、高速化の効果も多くのサイトで得られているようなので、小規模サイトも含めこのままどんどん普及が進んでいくのではないかと見ています。
GoogleもSPDYをHTTP/2に置き換えていくということを、時期も含めハッキリと表明していたりしますし。
HTTP/1.1を置き換えるということがいつか起こるんでしょうか?
Chromium Blog: Transitioning from SPDY to HTTP/2
今後もHTTP/2普及度の調査は継続でウォッチしていきたいと思います。