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米モバイルキャリアにおける動画サービス無料化への動き

アメリカのモバイルキャリア各社が動画サービス無料化に動き始めています。

ここでの無料化は「データ通信量に積算しない」という意味です。動画コンテンツ自体の閲覧は基本的に有料です。

T-Mobile USが「アンキャリア戦略」でまず先行し、それをAT&Tが追い、効果を見極める期間をおいてVerizonが更に後を追ったという構図です。Sprintはそこまでの余裕がないのか、残念ながら動画無料サービスを提供していません。

 

考察 -なぜ動画の通信料無料サービスで競うのか?-

もちろんアメリカ4大キャリア間(実質3大か?)の契約者獲得競争のためです。当たり前ですね。T-Mobile USはスポティファイやパンドラなどの音楽サービスも通信料無料のサービスを提供して他キャリアとの差別化を図っています。

動画サービス側の収益で、ある程度補てんできる、あるいはペイできちゃうという思惑もありそうです。

 

ただ、特にVerizonとAT&Tの最近のM&Aの動きを見ると、キャリア間競争だけが目的の訳ではなさそうです。

AT&Tは2014年5月にディレクTVを買収しています。衛星放送の大手です。

Verizonは2015年5月にAOLを買収しています。インターネットサービスの大手です。

いずれも膨大な動画コンテンツを持っています。それらを無料で配信する方向性が見えています。

 

有料コンテンツを無料の通信路で配信する。これは、アメリカにおいてはペイパービューと同じです。

恐らくモバイルメガキャリア2社はテレビ業界の領域(ネットワークとかテレビ局)を狙っています。LTEブロードキャスト技術や5G技術と合わせて考えると、より現実味を帯びた想像に見えてきます。

テレビ業界を飲み込んだ先には、電波の獲得とかも狙ってたりするのでしょうか?

 

モバイルキャリアの収益規模、収益効率とそれらをテコにした巨大化戦略は恐ろしいばかりです・・・